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ドール
自己紹介:
物語を作るのは子供のころから好きでした。
心癒されるような童話を作りたいと持っています。

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「本当になんでもするかい?」
誰かの声が聞こえました。


それはリョクの頭の上から聞こえます。

パタパタと音をたてて、黒いものが落ちてきました。

「本当になんでもするのかい?」
黒いものはもう一度パクにたずねます。

「願いを叶える方法が一つだけあるよ」
「あなたは誰?」
リョクが聞きました。

「わたしはカラスのクーロだ」
カラスのクーロは、真っ黒な翼を広げ、バサバサと羽ばたきます。

「本当に願いが叶うの?どうすれば、いいの?教えてよ」
パクはクーロのバタバタする翼を見ながら聞きました。

「教えて欲しいならば、『教えてください』と言わなくてはならない」
クーロはプイッとそっぽを向いてしまいました。
「いじわる!」
パクはまたクスンクスンと泣き出します。

「教えてください、クーロ」
パクのかわりにリョクが言うと、クーロはまた言いました。

「『お願いします』も言えば、もっと良い」
「教えてくださいクーロ。お願いします」
リョクが言いましたが、クーロは不満そうです。

「パクは言えないのかね。パクが願いを叶えて欲しいのだろう」

リョクが頭を撫でてあげると、パクは赤くなった目を擦りながらクーロに言いました。
「お願いします、教えてください」

パクがそう言うと、クーロは「カア」と嬉しそうに一声鳴きました。

「月の女神にお願いすれば良い」
「月の女神?」
「そうだよ。月の女神のところまで行ければ、どんな願いも一つだけ叶えてくれるんだ」
クーロがそう答えるとパクは目をキラキラさせて聞きます。

「じゃあ、ぼくの体に色をつけることも出来るの?」
「もちろんどんなことだって。だけどパクはそんなことをお願いしたいのかい」
クーロは不思議そうな顔をしました。

「だって、こんな色ちっとも素敵じゃないもの。だからみんなにいじわる言われるんでしょう?」
パクは腕を広げて自分の白い体をクーロに見せます。

「わたしにはとても美しい色に見えるけれどねえ」
クーロはもっと不思議そうな顔をしました。

「そうそう、月の女神はそれはそれは美しい翼をもっているんだよ。世界で一番綺麗な色をしているんだ」
「どんな色なの?」
リョクが聞きました。

「それは会ってからのお楽しみだよ」
「きっと虹みたいに綺麗で、お月さまみたいにキラキラなんだよ。決めた!ぼく女神さまの翼と同じ色にしてもらうんだ」
パクは月の女神の翼のことを聞いて嬉しそうにはしゃぎます。

「クーロは月の女神に会ったことがあるの?」
リョクはクーロに聞きました。

「もちろんだよ」
「じゃあ願いを叶えてもらったんだね」
「ああ」
クーロは誇らしげに頭を上げ、黒く光る胸を反らし、キラキラした羽根を振るわせます。
パクがうらやましそうにクーロを見て言いました。

「クーロも月の女神さまにその色をつけてもらったの?」
「まさか!わたしはもともとこの色だ」

「じゃあ、どうして色を変えてもらわなかったの?だって全然綺麗じゃないよ」
パクには真っ黒い体のままのクーロが不思議で仕方ありませんでした。
だって黒い体は、なんだかとても怖く思えたからです。

「失礼な奴だな!わたしは自分のこの羽根の色が気に入っている。変えたいなんて考えたこともない!」
怒ったクーロは、「カアカア」と何度も鳴きながら、バサバサと羽ばたき、ふわりと空に飛び上がりました。

「待って、クーロ」
リョクは慌てて、クーロの名を呼びます。

「月の女神はどこにいるの?どこに行けば会えるの?教えてください、お願いします」

しかしクーロはこう答えました。
「いつでも簡単に教えてもらえると思うな。知っている誰かを探して、教えてもらうんだな」
クーロはそのまま、どこかに飛んで行ってしまいました。

「ねえリョク、クーロはどうして怒ったの?」
パクは不思議そうにリョクにたずねます。
パクにはクーロが怒った理由が全然分からなったのです。

「これでは月の女神がどこにいるのか分からないね」
リョクは困ったようにつぶやきます。
「ぼく、月の女神さまのところに行きたいよ」
パクはまた泣き出します。


「クーロが言っていただろう。知っている誰かを探して教えてもらえばいいんだよ」
「ぼく、出来ないよ」
リョクに言われてもパクはまだ泣きやみません。



「大丈夫、ぼくも一緒に月の女神を探してあげる」




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