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物語を作るのは子供のころから好きでした。
心癒されるような童話を作りたいと持っています。
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リョクは喚きあう花たち掻き分けながら、決して声を聞き逃すまいと必死で着いていきました。
「ここまでくれば、もう大丈夫ね」
しばらく走り続けて辿り着いたのは、優しく風の吹く緑の野原でした。
息を切らしたリョクは、目を回しているパクを抱き抱えたまま、座り込みます。
「あの花園はとても怖い所なのよ。どうしてあんな所に迷い込んでしまったの?」
呆れたような声がします。
「いつの間にかあそこにいたんです」
リョクは膝の上にパクを乗せましたが、まだ目を回していました。
「ありがとうございました。あなたは誰ですか?何処にいるの?」
「あら、まだ見えないの?手を出してみて」
声はそう言うとリョクのそばに近付いてきます。
言われたとおりにリョクが手を出すと、その指に一頭のアゲハチョウがヒラヒラと舞い降りてきました。
「初めまして。私はアゲハチョウのアゲハよ」
アゲハチョウのアゲハは、美しい翅をゆっくりと開いたり閉じたりします。
「蝶だったんだ」
巨大な花たちに囲まれていたので、リョクは小さな蝶に気が付かなかったのでしょうか。
「お礼は私より、彼女に言ってあげてちょうだい」
「彼女?」
「あなたの目の前にいるでしょう?」
アゲハが言いましたが、リョクにはまたしても姿が見えません。
「こんにちはー」
リョクの膝の上でパクの声が聞こえました。
やっと気が付いたようです。
「こんにちは、小さなはねうさぎさん」
とても可愛らしい声が答えました。
リョクが下を見ると、パクは小さなタンポポに手を振っていました。
「タンポポ…」
それは小さな小さな一リンのタンポポでした。
リョクにはどうしてこのタンポポに気がつけなかったのか、不思議でなりませんでした。
「彼女に、花園に子どもが迷い込んでいるから助けてあげて、と頼まれたのよ」
アゲハが教えてくれました。
「ありがとうございました」
「ありがとう」
リョクと一緒にパクもお礼を言います。
「わたしはタンポポのポポです。無事で良かったわ」
タンポポのポポは、小さくて愛らしい黄色の花びらを揺らします。
「あの花園も、以前はとても穏やかに優しい花園だったんです。
けれどいつからか花たちは自分の美しさを競いあうようになっていました。
自分だけを誉め、他の花たちをけなしあうと、どういう訳か花たちはドンドンと大きくなるんです」
ポポは悲しそうに言いました。
「そして最後には、大きくなりすぎて、風船が破裂するように爆発するのよ」
アゲハはまるでお手上げだというようにため息をつきました。
「もしあなたたちも、あのままあの花園にいたら、同じように破裂していたかもしれないわね」
「嫌だよ、ボク爆発なんかしたくない」
アゲハに脅かされて、パクは頭を押さえてふるえます。
「もう大丈夫よ、そんなことにはならないわ」
ポポが優しくパクを励ましてくれました。
「どの花が美しいかなんて、下らないことだわ。
肝心なのは、美味しい蜜をたくさん持っているかどうかよ」
アゲハたち蝶にとっては、何よりもそれが大事なのです。
「あの花たちに聞きたいことがあったのに」
リョクは残念でなりません。
あんなに沢山の花がいたのなら、誰か知っていたかもしれないからです。
「あの花たちには、何を聞いても無駄よ
自分のこと以外何も知らないし、たとえ知っていても、自分のこと以外話さないもの」
アゲハはため息をつきます。
「聞きたいことって何かしら?わたしたちにも分かることだといいけれど」
ポポはリョクにたずねました。